失敗した部下をどう叱ればいいのかわからない
下手なこと言えば嫌われて仕事がやりにくくなりそう
失敗に対して叱らないと部下に舐められそう…
部下が失敗したときにどんな対応をすればいいのかわからないと、身動きが取れないですよね。
ただこれだけは言えます。
失敗した部下を叱る必要はまったくありません。
部下が失敗したときが「信頼」を得るチャンス!
今回は、信頼される上司は部下の失敗にどう対応するのか、考え方や捉え方の違いについて書いていきたいと思います。
部下の失敗がなぜチャンスになるのか
信頼される上司は、部下の失敗をチャンスだと思っています。
理由は2つ。
- 部下への対応しだいで信頼関係が築ける
- 部下の成長につなげることができる
ただし、このチャンスを活かすためには「器の大きさ」が大事です。
- 「器が大きい」→ 信頼できる
- 「器が小さい」→ 信頼できない
単純に部下からはこのように見えるからです。
「器が大きい」と言っても、ただ失敗した部下を許せばいいということではありません。
それでは部下に甘いだけで、部下の成長を阻害する可能性があるからです。
間違った対応をしないためにも、「器が大きい」の意味をはき違えないようにしましょう。
部下に「器が大きい」と思われる対応とは
まだ若いリーダーなら、「器が大きさが信頼につながる」と聞くと、
「自分はまだ若いし人生経験もない……」
「年配の方と比べると私なんてぜんぜん……」
・・・と思うかもしれませんね。
しかし、「このひと器が大きいなぁ」と部下に思われるためには、必ずしも器が大きい人物である必要はありません。
大事なのは、部下が失敗したときに、どのような対応をとればいいのかを知っていることです。
具体的には、
- どれだけ「多角的」にものごとを捉えれるか
- どれだけ「深く」事実を掘り下げられるか
- どれだけ「本質」に迫れるか
この3点はすごく大事です。
ただし、この3点を高いレベルで行うには思考の訓練が必要なので、ここでは詳しく書かないことにします。
それよりも、まずは以下の2点を実行すれば、「器が大きい」と思われるはずです。
- 問題の本質を掴むために「意識と事実」を分けて考える
- 部下の成長を促すために「原因と対策」を一緒に考える
それでは詳しく解説します。
部下の「意識」と「事実」を分けて考える
信頼される上司は部下が失敗しても、部下を叱ったりしません。
なぜなら、失敗した部下の「仕事に対する意識の甘さ」を叱ったところで、問題を解決することにはつながらないからです。
部下も人間なので、集中できない日もあるだろうし、気分が落ち込んで上の空の日もあるでしょう。
人間である以上、「意識」や「認識」を高い水準で持ち続けることはむずかしいんです。。。
仮に、仕事に身が入らない精神状態のときでも失敗しないような、「仕組み」をつくることのほうが重要だと考えています。
失敗という「事実」を掘り下げ、原因を追究し、同じ失敗を繰り返さないための環境を整える。
そのためにも、部下の「仕事に対する意識の甘さ」と「事実」は分けて考えないといけません。
この認識をもっているからこそ、信頼される上司は部下が失敗しても、叱ったりしないんです。
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部下と一緒に「原因」と「対策」を考える
信頼される上司は、部下と一緒に原因と対策を考えます。
なぜなら、失敗を部下が成長するチャンスだと捉えているいるからです。
具体的にはどのようにするのかというと、
「質問」をして、失敗の事実を掘り下げていきます。
ここでいう質問とは、「問い詰める」という意味ではありません。
自分ひとりでは辿りつけない領域まで掘り下げていくための「サポート的な質問」です。
自分ひとりで深く掘り下げていくのはかなり難易度が高いので、この「サポート的な質問」が重要なポイントになります。
この質問によって部下は、
- 失敗につながる小さな要因に気づける
- 根本的な原因に辿りつける
- 効果的な対策を打つことができる
という問題解決のプロセスを学ぶことができるでしょう。
「そんな簡単に問題解決のプロセスは学べない!」
と思うかもしれませんが、とにかく体験させてあげることが大事です。
「こんな分析方法があるんだ!」
「意識に頼っていたから失敗を繰り返してたんだ!」
ということがわかっただけでもよしとしましょう。
ちなみに、
部下に問題解決を学ばせたいのであれば、まずは「なぜなぜ分析」からはじめればいいと思います。
書籍だと『なぜなぜ分析 実践編』が「入門書」として最適です。
管理者として、なぜなぜ分析の運用や定着化を進める方法を学ぶのであれば、『なぜなぜ分析 管理編』を読んでおくといいでしょう。
このように、部下の成長につながることを積極的にサポートすることで、部下からの信頼も厚くなっていきます。
まとめ
今回は、信頼される上司は部下の失敗にどう対応するのか、について書きました。
簡単にまとめると、
信頼される上司は、部下の失敗をチャンスだと思っている。
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「器が大きい」と思われるには、
- 問題の本質を掴むために「意識と事実」を分けて考える
- 部下の成長を促すために「原因と対策」を一緒に考える
この2点が大事です。
リーダーになったばかりだと、人を動かすことの難しさを痛感していると思います。
しかし間違った対応さえしなければ、そうそう信頼を失うことはないので、この記事が参考になればうれしいです。