口では新しい取り組みをどんどんすると言っているが、一向に行動に移さない部下っていますよね。
正直、「口だけやったら最初から言うなよ!」と思います。
実は部下は、「やる!」と言ったときはやる気満々! しかし、いざ行動に移そうと思うとブレーキがかかってしまうんです。
今回は、口だけで行動に移さない部下はなぜ動かないのかという原因と、口だけ部下を動かす方法について書きたいと思います。
部下が行動に移せないのには原因がある!
あれこれ提案はしてくるけど、口だけでなかなか行動に移せない原因は2つあります。
- 変化することに対する恐れ
- 人は思っている以上に 最初の一歩が踏み出せない
変化することに対する恐れ
変化に対する恐れと聞くと、臆病な人だと思いがちですが、、、違います。
簡単に言うと、不安があるから「慎重」になっているだけです。
慎重な人は、「確実にやりたい」「しっかりと準備してからやりたい」という思いが強いので、未知の領域に足を踏み入れることを躊躇(ちゅうちょ)するんです。
「じゃあ、その不安を取り除いてあげれば行動するってこと?」
そう思いがちですが、未知の領域に対する不安を取り除くのはほぼ不可能。
それに、いくら念入りに準備しても、不安を払拭できるとは限りません。
人は思っている以上に 最初の一歩が踏み出せない
不安が少しでも残っていると、なかなか行動に移せません。
人は思っている以上に、最初の一歩が踏み出せないんです。
「それは意識が低いからだ!」
「部下の意識を変える必要がある!」
そう思うかもしれませんが、意識改革をしようとしても、うまくいきません。
そもそも、自分の意識をかえるのでも難しいのに、他人の意識を変えるなんてもっと難しい。
部下が意識に頼らず行動できるように、まずは最初の一歩を支援することからはじめましょう。
行動に移さない部下を動かすたった1つの方法
意識に頼らず行動させるには、最初の一歩を踏み出すためのサポートが必要です。
最初の一歩を踏み出し行動させることで、自然に「仕事モード」に入っていけるからです。
行動に移すとき、最初が一番エネルギーを消費します。
最初が一番しんどいんです!
人間の体と心は、エンジンがかかると自動的に動き出す機械のように、いったんはじめさえすれば、それがきっかけとなって嫌なことでも動き続けられるようになっているそうです。
「作業興奮」という言葉があります。
ドイツの心理学者エミール・クレペリンは、興味のないような作業でもやっているうちにやる気や集中力が出てくるという作用を発見し、これに「作業興奮」と名付けています。
作業興奮には何らかの行動で脳の側坐核が刺激を受けることで「やる気ホルモン」が分泌されという仕組みがあるというのです。
身近な例でいうと、部屋の掃除がそうです。
何気なくはじめたはずなのに、「ここも気になる、これもあれもキレイにしよう!」と、いつの間にか本気モードになって、結局2時間も3時間も掃除してしまった、、、という経験が誰にでもあるかと思います。
この原理を利用しない手はありません。
まずは、最初の一歩を踏み出し行動させることに注力しましょう。
最初の一歩を踏み出せるための声掛け
具体的どのようにするかというと、
と声掛けをし、自分で考え行動に移せるように導きます。
人は、自ら「やる」と言って動きはじめたことに対しては一貫性を保とうと行動し続ける傾向があります。
逆に、人から言われて動かされることは極端に嫌います。
意識を変えるのは難しいので、まずは小さくてもいいから行動させる。
そのためには、最初の一歩を踏み出させるための声掛けとサポートが必要なんです。
まとめ
今回は、口だけで行動しない部下を動かす方法について書きました。
- 口だけで行動できない部下は、変化することに不安をもっている
- 最初の一歩を踏み出すには、莫大なエネルギーが必要
- とにかくはじめさえすれば、作業興奮に入りやすい
- 最初の一歩を踏み出させるための声掛けとサポートをする
意識を変える必要はありません。
まずは、「とりあえずやってみようか! 何から始める?」と声掛けをして、行動せざるを得ない状況をつくってみてください。
最初の一歩さえ踏み出せれば、いつの間にかやる気モードに突入してくれますから(笑)。