- 若い部下がなかなか仕事を覚えない…
- 教えても教えても一向に上達しない…
このように悩んでいませんか?
こんな仕事ができない若い部下でも、変えることは可能です。
今回は、仕事ができない若い部下の思考を180°変える方法について書きたいと思います。
仕事ができない部下の頭の中はこうなっている
仕事ができない若い部下の頭の中はどうなっているのかというと、
- まったく危機感を持っていない
- 学生時代の気分がまだ抜けていない
- 仕事ができなくても大丈夫だと思っている
この3つが考えられます。
危機感を持っていない
危機感を持っていないのは、簡単に言うと「無知」だからです。
別の言い方をすると、「知らないことすら知らない」状態。
これは、”まだ” 知らないだけであって、「事実」を知れば変わる可能性が高いので大丈夫です。
学生時代の気分がまだ抜けていない
学生気分がまだ抜けていないのは、仕事に対する目的や意義が明確になってないからです。
ようは、仕事に対する「考え方」とか「向き合い方」とか、そういう大事なことをまだ教わってない可能性が高い。
たしかに会社には若手を教育するカリキュラムがあります。
しかし、指導する側に教えるスキルがない場合はこの仕組が機能しないどころか、押し付けられてる感じがして逆に反抗的な態度を原因になりかねません。
一方通行的に教えるのではなく、納得できる形で教えられる存在がいないことには話になりません。
そこは、今この記事を見ている勉強熱心なあなたが、仕事に対する考え方とか向き合い方を教えてあげればいいと思います。
仕事ができなくても大丈夫だと思っている
仕事ができなくても大丈夫だと思っているのは、
- 仕事ができなくても職場全体はそれほど困らない
- ひとりぐらい仕事できなくても大丈夫な雰囲気がある
この2つが問題だと思います。
「向上心」を持っていれば勝手に成長していってくれるんでしょうけど、まったく向上心がなく「まわりに流されるような意志の弱い部下」なら、職場の雰囲気が重要です。
なぜなら、職場という環境が「仕事ができなくても大丈夫」という思考を生み出す原因になっているからです。
仕事ができない部下に事実を伝えて衝撃を与える
仕事ができない部下は「何も知らない」ということを先ほども書きましたが、何も知らないからこそきちんと事実を教えてあげる必要があります。
何を教えるのかと言うと、
- 時代の変化について
- 会社が求めている人材について
- 価値を生み出すことの大切さについて
この3つです。
時代の変化について
「今日本は『パラダイムシフト』の真っ只中に立たされている!」
こう聞いて、「なんとなく聞いたことがあります」「TVで見たことがあります」という程度なら、実際にはどんな変化が訪れるのか、今現在どこまで変化しているのか、などをほぼ知らないはずです。
パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。パラダイムチェンジともいう。
そんな部下に対して、
- 時代がどのように変化しているのか
- 仕事はどのように変化しているのか
などを伝えて「危機感を持ってもらう」ことが重要です。
たとえば、
ロボットやAIを導入するコストがどんどん安くなるので、近い将来にはほとんどの業務がロボットやAIに取って代わられるでしょう。
それは「利益」を生み出さなければならない会社にとって、当然の選択なんです。
急速に変化している時代を知ることで、「このままじゃヤバいかも…」となり、「じゃあどうすればいいの?」と思わせられれば成功です。
会社が求めている人材について
会社が求めている人材とはどんな人材なのか? という観点で考えさせることが重要です。
昔なら、
- 上司の指示命令に従う
- 指示されたことを正確にこなす
この2つがすごく重要でした。
しかし今は、この2つにそれほど価値はありません。
なぜなら、上司の言うことでさえも、会社が求めていることとずれている場合もあるからです。(※上司が自分の都合で指示している場合があるから)
なので、会社にとって利益をもたらすことを自ら考え行動し、会社から求められる人材にならなければいけません。
そのためには、一作業員という小さな視点で考えるのではなく、 経営者と同じ大きな視点で物事を見て考えられる能力が必要になっていくでしょう。
「そんなんめちゃくちゃ難しいやん」
と思うかもしれませんが、将来的には高い視座をもつ人材が重宝されるようになります。
「視座(しざ)」:物事を認識する時の立場
これは、雇われの身ではなく、個人事業主として会社と関わっていくことと同じです。
そのためのスキルを身につけないといけないという危機感を与えれば成功です。
価値を生み出すことの大切さについて
今までの労働は、価値を生み出すというより、言われたことをただこなすだけのロボットのような存在でしかありませんでした。と言うか、ロボット的な正確な動きをすることに価値がありました。
でもこれからは、ロボットの方が正確で、コストがかからなくなります。
そうなると、ロボットのような正確な動きをすることに価値はなくなります。
じゃあどんなことに価値があるのかと言うと、ロボットにとって不得意な分野です。人間にしかできない部分です。
たとえば、 感覚的にできることを言語化していく、というのも1つです。
ようは「暗黙知」と言われる部分ですね。
暗黙知を言語化することによって、たくさんの人のレベルを上げることが可能になります。
暗黙知(あんもくち)とは、経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のことで、経験知と身体知の中に含まれている概念。 例えば微細な音の聞き分け方、覚えた顔を見分ける時に何をしているかなど。 マイケル・ポランニーが命名。 経験知とも。
どうしてもロボット的な単調な動きではなく、ロボットに頼れない、感覚に頼った部分が大きい仕事もあります。
そういうところは、人間に頼るしかありません。
人間にしかできないようなことや、 生産性が高まるアイデアなどを生み出せる人材は、価値を生み出せる人材としてこれから貴重な存在になるはずです。
仕事ができない部下の思考を180°変える方法
仕事ができない部下の思考を変えるのは簡単です。
- 事実を伝えて危機感をもたせる
- どんな考え方で取り組めばいいのかを伝える
- どのような行動が必要なのかを伝える
この3つを伝えればOKです。
事実を伝えて危機感をもたせる
事実を伝えて危機感を持たせるということはものすごく重要です。
なぜなら、ただ知らないというだけで間違った行動をとっている可能性が高いからです。
先ほどもお伝えした通り、
- 時代の変化
- 会社が求めている人材
- 価値を生み出すことの大切さ
これを客観的な事実として伝えることが大事です。
そのためにはあなた自身も、「時代の変化」を知っていなければいけません。
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どんな考え方で取り組めばいいのかを伝える
時代の変化を知っただけでは、危機感を持ってパニックになるだけです。
なので、どんな考え方で仕事に取り組めばいいのか、ということを伝えます。
それは、「プロ意識を持って取り組む」ということ。
プロ意識を持って取り組むということは、常に個人でPDCAサイクルを回していくことになります。
- 自分の技術を高めるためにはどう改善すればいいのか
- 仕事ができる人とできない自分との違いはどこなのか
などなど、自分の技術を高めていくための考え方に変えていく必要があります。
なぜプロ意識を持って取り組まなければいけないのかと言うと、自分を高めるためのプロセスを経験していないものが、人に教えることなんてできないからです。
自分を高めるためのプロセスは、仕事だけじゃなく私生活でも役に立ちます。
たとえば、タコ釣りをしたいと思ったとき、釣具屋の店員に薦められたものを買ってはダメです。
なぜなら、釣具屋の店員はタコ釣りのプロではないからです。
プロ意識をもってタコ釣りに取り組むためにはまず、プロ級にガンガン釣る人の「誘い方・竿の硬さ・糸の太さ・仕掛けの形」などを分析し、徹底的にマネをする。そこから自分なりの工夫をし、自分の型として身につけることが重要です。
釣りは遊びですけど、仕事と共通していることはたくさんあります。
もしアマチュア意識でしか仕事に取り組んでいないのであれば、技術を向上させるためのプロセスを応用できませんし、教える立場になったときに、納得できる形で伝えることもできないでしょう。
なので、プロ意識をもって取り組むということが大切なんです。
どのような行動が必要なのかを伝える
どのような行動が必要なのかというのはすごく大事です。
たとえば、情報収集。
「価値を生み出すような仕事をしたい」と思ったとき、集めるのは「質の高い情報」じゃないといけません。なぜなら「質の低い情報」はただのノイズにしかならないからです。
そのノイズは、迷いを生み出し、行動の邪魔になるだけです。
なので、質の低い情報を与える人間の言うことは絶対に聞いてはいけないんです。
という疑問を投げかけられると思います。
そこで伝えるのが「型」です。
- ○○の情報については A さんから聞く
- △△の情報については b さんから聞く
- ××の情報については C さんから聞く
このように、○○について信頼できる情報を発信する人は誰なのかを「型」として与えておく。
そうすれば、必要な情報と不要な情報の取捨選択ができるようになります。
これはものすごく重要です。
自分の中にインプットする情報と、インプットしてはいけない情報をはっきりさせることで、無駄な情報に困惑させられることから逃れられます。
つまり、やたら教えたがるしょうもない先輩の話は聞かなくていいということ。
それが部下にとって大事なんだよということを教えてあげてください。
まとめ
今回は、仕事ができない部下を育てる方法について書きました。
仕事ができない若い部下は、まったく危機感を持っていないということを理解しておく。
なので、まずは「このままじゃヤバいかも」という危機感を持たせることが大事です。
次に大事なのが、混乱させる質の低い情報をシャットアウトさせることです。
情報社会では情報を取捨選択できるスキルが必要になります。
これはものすごく難しいことです。
若手の部下が、ムダな情報に振り回されないように、あなたが導いてあげてくださいね。