こんな悩みがあるのなら、『センスは知識からはじまる』(水野学/朝日新聞出版)を読むことをオススメします。
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センスと聞いて、特別な人だけに備わった才能だと思っているのなら、それは間違いです!
本書にはこう書いています。
センスのよさとはミステリアスなものでもないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰にでも手に入るものです。
センスは「誰にでも手に入るものである」と著者はいいます。
「本当にそうなの?」
「著者自身がもともと才能があったんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、本書を読み進めていくうちに、センスは誰にでも手に入るものだということが理解できるはずです。
センスとは知識の集積である。
そこで今回は、「センスがない」とすぐ諦める部下を前向きにさせる考え方を、著書『センスは知識からはじまる』を引用しながら紹介したいと思います。
「センスがない」とすぐ諦める部下を前向きにさせるには
「僕にはセンスがないんで…」
「センスがないからできなくて当然!」
「センスが無いってことを痛感しています」
こう言って、すぐに諦める人をたくさん見てきました。
この人たちに共通するのは、圧倒的に知識や経験が足りていないということです。
仮に知識があったとしても、それは質の悪い情報からなる質の悪い知識であることが多い。。。
質の悪い知識しかないのであれば、質の悪い行動しかできません。
なぜなら、行動するための判断材料となるのは、知識だからです。
たとえば、ダサい服しか着ない仲間に囲まれて、参考にするのもその仲間のファッションだという人は、センスが悪い服装をする。
逆に、普段からファッション雑誌を何冊も読み込み、ネットや街でもおしゃれな人の着こなしをチェックしまくってる人は、センスのいい着こなしをする傾向にあります。
このように、センスのいい着こなし(行動)をするためには、そのための良質な知識が必要です。
仕事も同じで、良質な知識さえあればだいたいのことはできます。
「センスがない」とすぐ諦める部下にこのことを伝えてあげてください。
センスとは才能ではなく、良質な知識を積み重ねることで磨かれるということがわかれば、前向きに取り組むことができるようになります。
センスとは、知識にもとづく予測である
センスとは「知識」にもとづく「予測」です。
膨大な知識という判断材料があるからこそ、適切な予測ができているということです。
逆に知識がなければ、判断材料がない状態なので、予測することはムリでしょう。
本書の中では、経営センスがあり、非常に感覚的だと評される経営者の話が例えとしてあげられています。
実際に「社長はどうして市場の先行きが予測できるんですか?」というインタビューに対して「長年の勘です」と答える経営者もいます。
しかしこうした社長は、市場についての膨大な知識と経験の蓄えがあり、それをもとに自分なりの予測を生み出して経営判断をしています。一連の思考プロセスを言語化するのが難しいために「勘です」と答えているだけのような気がします。
製造現場に置き換えてみると、突発的で難しい仕事でセンスのいい判断を下す人は、さまざまな現場を見てきた人や、さまざまな経験を積んできた人が多いです。
逆にひとつの会社しか知らない人は、センスが悪いとはいいませんが、頭が固くて柔軟性が劣ります。
センスのいい人は蓄積した知識が結びつくことでそれが知恵となり、臨機応変に対応できるんだと思います。
客観情報の集積がその人のセンスを決定する
センスが知識で成り立つことは理解できたと思います。
しかし、知識なら何でもOKというわけではありません。
思い込みと主観による偏った情報ではなく、思い込みを外した「客観情報」を集めることがもっとも大事なんです。
本書の中では、わかりやすい例として「ファッション」を取り上げています。
センスが良くておしゃれなAくんと、ファッション好きなのはわかるけどダサい服装をしてしまうBさんの話
「なんということのないセーターを着ているけど、すごくセンスが良くておしゃれだな」と感じさせるAくんがいるとします。
彼は何も考えずにセーターを選んでいるわけではありません。
Aくんは実はファッションについてめちゃくちゃ勉強していて、洋服やそのときの流行りをよく知っています。
さらに、自分の体型、個性、雰囲気など、客観的な情報もきちんと集積していて、その2つの知識を合わせて服選びをしているんです。
一方、「いつも流行りのど真ん中の服装をしていて、ファッションが好きなのはわかるけど、センスはなさそうだしおしゃれにも見えない」というBさんもいます。
BさんもAくん同様に、ファッションについてめちゃくちゃ勉強しています。
しかしBさんは、自分の体型、個性、雰囲気といった客観的な情報はもっていません。その結果、自分に何が似合うかということがわからず、ダサい服装をしてしまう・・・ということです。
製造現場での例
製造現場でも同じようなことは起こっていますね。
たとえば、溶接の技術についてです。
一口で溶接と言ってもさまざまな溶接方法や品物の種類があります。
いろんな溶接(アーク・ティグ・半自動…など)を経験し、いろんな品物(薄板・厚板・鉄・ステンレス・アルミ…など)の溶接をしたことがある職人は知識も豊富で、なんにでも臨機応変に対応できます。
しかし、センスのいい溶接ビードをつける人と、ダサい溶接ビードをつける人に分かれます。
センスのいい人は、溶接の知識があるだけじゃなく、自分の体勢、品物の状態、溶接器具の状態といった客観的な情報を考慮した上で溶接をしています。
ダサい溶接ビードをつける人は、溶接の知識があるだけで客観的な情報を考慮せずに溶接している傾向があります。
できるけど、なんかダサい・・・という人はこのパターンです。
でも、知識があるならまだマシなほうで、知識もなく、客観的な情報もない人はもう最悪ですね。
というように、知識だけじゃなく、客観的な情報も集めていないと、センスを光らせることはできないんです。
まとめ:センスは知識からはじまることを伝えよう!
センスに自信がない部下には、自分がいかに情報を集めてないか、自分がもっている客観情報がいかに少ないかを、まずは自覚させることが大事です。
と理解してもらえれば、何をすればいいのかが明確になっていくはずですよ(*´∀`)
この記事で引用した本はこちら!
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