部下を褒めるのはむずかしい。。。
特に頭がキレる優秀な部下は気を使います。
褒め方を間違えると、逆に、やる気と信頼を失いかねません。
部下のことを一生懸命褒めているのに、陰でボロカス文句を言われている人を、嫌というほど見てきました。
人の洞察力を舐めてたら、大火傷しますよ。
そこで今回は、
- 絶対にやってはいけない褒め方
- 褒め効果を100倍にするためのポイント
- 部下から信頼される人の効果的な褒め方
この3つについて詳しく解説したいと思います。
絶対にやってはいけない褒め方5選
人は「褒めさえすればやる気が出る」という単純なものではありません。
褒め方を間違えれば、逆に警戒心をもたれ、信頼を失うことにもつながります。
そこでまずはじめに、「絶対にやってはいけない褒め方」を5つ紹介します。
急に人が変わったように褒めだす
日頃から褒めるということを実践していない人が急に褒めると、
「・・・何か裏があるんじゃないの?」
と心理的に勘ぐられてしまいます。
そんな場合は特に、
「表情の変化や言葉の使い方」
を注意深く観察されているので、下心があるのなら簡単に見破られてしまいます。
結果だけを褒める
自分のことよりも「結果にしか興味がない人」だと思われてしまいます。
これは男女の恋愛と一緒です。
目に見える「結果(外見)」を褒められるよりも、目に見えない「努力や考え方(内面)」を褒められたほうが、
「私のことをちゃんと見てくれている♡」
と思い、愛を感じるのと同じ心理です。
なので普段から部下の内面に「関心をもつ」ことが大事です。
褒め方が単調
毎回同じところばかり褒めると、
「この人、それしか言えないのか?」
「ボキャブラリーがない人やなぁ…」
と部下にバカにされてしまいます。
アホな上司には人はついていかないので、意外とこの褒めるボキャブラリーは大事なんです。
お世辞的に褒める
本心から思ってないのに褒めると、表情や声のトーンで嘘だということが簡単に伝わります。
なので、本当に「すごい」と思い込むことが大事です。
「すごいと思っていないのに、思い込むなんて無理…」
というのなら、褒めないほうがマシです。
なぜなら、お世辞だと伝わった瞬間、相手に悪い印象を与えてしまうからです。
ちなみに、普通ならお世辞だとわかるような褒め方をしているのに、喜ぶような部下がいたとしたら、気をつけてください。
サイコパスの可能性大です。
サイコパスは共感能力が欠如しているので、相手が本心で言っているのかどうかがわからないんです(マジで)。
※サイコパスについてはこの記事に詳しく書いています。
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否定的なイメージを与える褒め方
「今回はよく頑張ったな!」
という褒め方をよくしてしまいがち。
実はこの褒め方には、否定的なニュアンスが含まれています。
「今回は・・・」ということは、「いつもは頑張っていないと思われている」という受け取り方をしてしまい、
「この上司は自分のことをぜんぜん見てくれてないんだ・・・」
という気持ちになってしまいます。
「いつもの頑張りが成果につながってよかったな!」
という言い方に変えるだけで、「いつも頑張っているのも見ているよ」というニュアンスに変わりますよ。
褒める効果を100倍にするためのポイント
褒める効果を最大限に発揮させるためには「準備」が必要です。
準備といっても複雑なことは一切ありません。
「普段から部下に関心をもって見守る」
ただこれだけです。
「やってはいけない褒め方」にも書きましたが、
「結果に対してだけ褒めるという行為は逆に、あなたに対して不信感を抱くきっかけになります」
なので、結果を出すまでの過程を褒めることが大事なんです。
たとえば、普段から自分を見てくれていない上司に、「よくやったな」と褒められても、
「今までの苦労を何もわかってないくせに」
「結果出したから褒めてるだけでしょ」
というように、うれしいどころか逆に「なんかムカつく…」と思われるのがオチです。
そうならないためにも、普段からできるだけコミユニケーションを取り、
- 部下が何を考えているのか
- 部下が大切にしているものは何なのか
- どんな工夫や努力をして仕事をしているのか
など部下の内面を把握しておくことが大事です。
この準備が、褒める効果を100倍にするもっとも大事なポイントです。
部下のやる気を上げる もっとも効果的な褒め方3選
結果や成果を褒めるよりも、内面をいろんな角度から褒めるほうがより効果的です。
普段から、部下に関心をもって見ていなかったら、内面を的確に褒めることなんてできません。
ここでは、部下から信頼されている人の褒め方を3つ紹介します。
隠れた才能を引き出し褒める
隠れた才能を引き出し褒めるためには、マイナス面をプラスに変換するスキルが必要です。
たとえば、冗談ばかり言って真面目に仕事をしない部下には、
「お前には場を和ませる素質がある!」
「お前みたいなやつがリーダーになったら、楽しい職場になるんやろな~」
「みんなが伸び伸び仕事できるような雰囲気をつくる才能がある」
というように、
「実はまわりに良い影響を与える特別な才能があるんだよ」
ということを伝えてあげることで、
「この人は自分のことを理解してくれている」
と思わせることができます。
第三者を通して間接的に褒める
「直接褒めるのは苦手だなぁ」という場合は、「間接褒め」がオススメです。
間接褒めは、本人に直接褒めるのではなく、第三者に対して部下を褒める言葉を繰り返し伝える方法です。
たとえば、本人がいない席で同僚や上司などに、
「天才的な素質をもってる」
「せっかくやからこの才能をもっと活かしてあげたい!」
というようなことを、できるだけ多くの人に伝えます。
(※目の前で言うとなんか嘘くさいようなセリフであればあるほどいいです)
これがいつか本人の耳に入ります。
すると、直接褒められるより第三者を通じて褒められたことのほうが信憑性が増し、うれしさが倍増するんです。
これを心理学用語で「ウィンザー効果」といいます。
ウィンザー効果とは
口コミやレビューなど「第三者」から間接的に情報が伝達することによって、より信憑性や信頼感が増すという心理効果のことです。
ちなみに、特定の人に伝えるだけでは、本人の耳に届かない可能性があります。
なので「間接褒め」を使う場合は、できるだけ多くの人に伝えるようにしましょう。
本人が気づいていない性格を褒める
これは、本人も気づいていないような相手の良い内面を褒めるという方法です。
たとえば、他人に気遣いばかりして、「言いたいことを言えない…」と悩んでいる部下がいるとします。
「言いたいことが言えないのは、相手の気持ちを考えられるからや」
「相手に嫌な思いをさせたくないと思ってるんやろ?」
「それって、相手を気遣える優しい心があるからやで」
というように、無理やりポジティブな方向にもっていき、その性格を褒めてあげるんです。
本人にとっては「言いたいことが言えない…」と悩んでいた性格が、「相手を気遣える優しい性格♪」に変換されたわけです。
その後、部下の頭の中で何度も「相手を気遣える優しい心」というワードがリピートすることになります。
そうなれば、部下にとってあなたは、
「内面をしっかり見てくれる人」
という認識になり、絶大な信頼を得ることになるはずですよ。
まとめ
今回は、
- 絶対にやってはいけない褒め方
- 褒め効果を100倍にするためのポイント
- 部下から信頼される人の効果的な褒め方
について書きました。
褒めることはむずかしいと思いますが、関心をもって部下の内面に目を向けていれば、褒めるポイントが見えてくるはずですよ。