あなたの職場には、人が提案したことを潰しにかかる人はどれくらいいますか?
自分が嫌われているのなら潰しにかかるのはわかるんですが、嫌ってもいないのに潰しにかかる人がいます。
それは、変化することを嫌う人たち。
この人たちの心理を理解し、何のために潰そうとしてくるのかがわかれば、冷静に対応できますよ。
そこで今回は、職場にいる「変化を嫌う人」のヤバイ心理について、詳しく書いていきたいと思います。
職場にいる「変化を嫌う人」の心理とは
変化を嫌う人の心理はこうです。
変化 = 恐怖
いくら変化した先にすばらしい未来があるとわかっていても、変わることへの恐怖のほうが勝っている状態です。
人間を含め動物は、基本的に変化を嫌います。
なぜなら、今の安全を捨ててまで新しいことにチャレンジすることは、死へのリスクにつながるからです。
「いやいや、人間の社会で死へのリスクなんかないやんか!」
と思うかもしれませんが、いくら頭では理解していても、潜在意識の奥深くに刻まれた動物としての本能が恐怖を感じてるんです。
これは無意識に感じることなので、当の本人はこのことを理解していません。
「これだけ発達したテクノロジーの時代に生きる我々は、もっともすぐれた新人類だ!」
・・・なんて勘違いしている人がいるかもしれません。
しかし真実は、人間の脳機能や身体機能は、原始時代となんら変わらないんです。
「変化=死」がよくわかる映画
この映画を見れば、人間が変化に対して恐怖心をもつ意味が理解できるはずですよ。
めちゃくちゃわかりやすくて面白いです。
簡単にストーリーを説明しますね。
まだ文明が発達していない原始時代のころ。
クルード一家は、父グラグの「外の世界に出てはいけない」という家訓を守り、ほとんど外には出ずに洞窟で暮らしていました。
それは、外の世界には死につながる危険がいっぱいだからです。
「新しいことに挑戦するな、好奇心を捨てろ、それでこそ安全だ」
新しいものを受け入れられない父、新しいものをもってくる娘の彼氏。
しかしある日、天変地異が起こって洞窟が崩壊してしまいます。
家を失った彼らは自分たちの新たな居場所を見つけるため、初めて外の世界へ出ることに。
外の世界は新しいことの連続。変化を嫌う父と家族が様々なピンチを乗り越えながら、新しい世界を切り開いていく、というお話です。
言葉を使い思考するのが人間。
しかし、ベースは「動物」だということを考えれば、死の恐怖から逃れるために、変化を避けるのは自然な行動なんです。
変化への恐怖から 提案を潰しにかかる人たち
人間は恐怖を感じると不安になり、冷静な判断ができなくなります。
なぜなら「恐怖」を感じた時点で、自分を守るための本能が働くからです。
そうなってしまうと、提案されたものを客観的な視点で見れなくなってしまいます。
たとえば、
Aさんがある作業に対して改善策を提案するとします。
ムダな作業が減り、しかも仕上がりが美しくなることは明確なんですが、感情に支配された人は全力でAさんの提案を否定しはじめます。
しかし、
「こいつの提案、ぜったい潰したる!」
と思って否定しているのではありません。(※潰したいと思って否定する場合は別の話ね)
不安という色眼鏡をかけた途端に、たった5しかないのリスクが、50にも100にも膨らんで見えるんです。
しかも本人はそのことに気づいていないからタチが悪い。。。
なので、論点がズレてしまって話がまとまらないということがよく起こります。
否定するための材料を「無意識」に探している
いくらすばらしい提案をしても、「バイアス」がかかることで論点がズレてしまい、冷静な分析ができなくなります。
※ここで働くバイアスは、「感情バイアス」もしくは「現状維持バイアス」です。
- 「感情バイアス」とは、
→感情的要因による認知と意思決定の歪み。 - 「現状維持バイアス」とは、
→未知なもの、未体験のものを受け入れたくないと感じ「現状のままでいたい」とする心理作用のこと。
その結果、「この提案はリスクが高い」と判断し、否定する材料を無意識に探しはじめるんです。
否定する側は、自分の思考に「バイアス」がかかっているなんてこれっぽっちも思っていません。
「冷静に分析した結果、正しい判断をしている」
と思っています。
こうやって言葉として見てみると、ヤバい考え方した人たちに見えますよね。
しかし、これが人間です。
「バイアス」がかかることで論点がズレてしまい、冷静な分析ができなくなるんです。
まとめ
今回は、職場にいる「変化を嫌う人」のヤバイ心理について書きました。
- 人間の脳機能や身体機能は、原始時代となんら変わらない
- 動物としての本能が、変化に対して恐怖を感じている
- 「バイアス」がかかることで論点がズレてしまい、冷静な分析ができなくなる
人間という動物のことをよく理解していれば、提案に対して否定されるのもわかる気がします。
ようは、変化するのが怖いだけなんです。
その恐怖や不安を取り除いてあげるためにも、こちらが冷静に対応し、納得できる根拠を示してあげることが大事だと私は思っています。