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部下の「挑戦意欲を奪う上司」を支配している「思考の癖」とは

「最初はやる気があったのに、どんどん部下のやる気が下がって困っているんだよね。。。」

こういう悩みをよく聞きます。

部下自身に問題がある場合もあるのですが、ここで言いたいのは、

上司が部下の挑戦意欲をことごとく潰しにかかっている!

ということです。

「いや、そんなことはない! ちゃんと部下の話は聞いているし、褒めたりもしている!」

という声が聞こえてきそうですが、

部下の話を聞いていたとしても、部下を褒めていたとしても、部下の挑戦意欲を奪うことはよくあることです。

「意味がわからへん!」と思うかもしれませんね。

結論を言ってしまえば、すべては・・・

上司を支配している「思考の癖」のせいなんです。

そこで今回は、部下の挑戦意欲を奪う「ダメ上司」を支配している思考の癖(マインドセット)の正体について、詳しく解説したいと思います。

マインドセットとはなんですか?

マインドセットとは、これまでの経験や教育、先入観から形成される思考パターンや固定化された考え方、思い込みのことです。

簡単にいうと「無意識の思考のクセ」です。

マインドセットには大きく分けて2種類あります。

  1. 人間の能力は生まれつき固定されたものだと考える「硬直マインドセット」
  2. 人間は成長しつづけられると考える「しなやかマインドセット」

ドラゴンボールで例えると、

生まれつきの天才で修行など必要ないと思っている「フリーザ」が硬直マインドセット、修行大好きで死線を超えるたびに強くなる「孫悟空」がしなやかマインドセットです。

まぁここだけ聞けば「よくありがちな性格の違いじゃないの?」と思うかもしれません。

しかしこの2種類のマインドセットを知れば知るほど、「人間関係をややこしくしている根本的な原因」であることがわかります。

一種の「呪い」のようなものです。

マインドセットの本質について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

リーダーとして知っておくべき「マインドセット」の本質~思考を支配しているのは・・・

「マインドセット」という言葉は聞いたことあるけど、なんだかよくわからないなぁ…という人は多いと思います。 人の上に立つ立 ...

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「硬直マインドセット」の世界では、つまずいたらそれで失敗。

「失敗=頭が悪くて才能がない証拠」だと思っている。

「しなやかマインドセット」の世界では、成長できなければ失敗。

「自分が大切だと思うものを追求しないこと、可能性を十分に発揮できないことこそが失敗」だと思っている。

能力を固定的に見る世界では、「努力は忌まわしいこと」で、能力を伸ばせると考える世界では、「努力こそが人を賢く、有能にしてくれる」という違いがあります。

こうやってみていると、能力を固定的に考える「硬直マインドセット」の人は、「自己愛性人格障害者」の特徴にも似ています。

【危険】職場の人間関係をぐちゃぐちゃにする「自己愛性人格障害」の特徴

見苦しいほど「自分はすごい」アピールをする 自分は「特別」という意識が極端に強い 「褒めてほしい」アピールがうざい あな ...

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ここまではマインドセットについての説明でした。

ここからは、硬直マインドセットの上司がどのような行動を取り、部下の挑戦意欲を奪っているのかについて見ていきましょう。

部下のやる気を奪う 硬直マインドセットの上司の行動

では実際に、硬直マインドセットの上司が部下のやる気をどうやって奪っているのかに迫りたいと思います。

自分の優秀さを証明するために部下を否定する

硬直マインドセットの上司は、自分の優秀さを証明するために部下を否定します。

たとえば、部下がなにか提案をしたとしても、

上司
「そんなことこっちは前々から分かってる」

みたいなことを言ったり、

部下の意見をきちんと理解してないのに、

上司
「それはうまくいかない」

と否定したりします。

これは、「自分は優秀だからお前の言いたいことはすべてわかってる」という無言のマウンティングです。

つまり、自分の優秀さを証明するために、すべて完璧に把握している自分をアピールしているということです。

このような態度をとられて部下はどう思うのか、客観的に見ればすぐにわかりそうなことなんですが、硬直マインドセットの上司はそのことにまったく気づきません。

なぜなら、自分の優秀さを証明することに必死だからです。

硬直マインドセットの指導者は、硬直マインドセット人々がみなそうであるように、人間には生まれつき優れた人と尖った人がいる世界に生きている。何かにつけて自分の優越性を確認しないと気がすまず、会社はそのための舞台にすぎない。

『マインドセット「やればできる!」の研究』第5章 ビジネスーマインドセットとリーダーシップ P160より

ようは、自分のことで精一杯で、部下の気持ちを考える余裕がないんですね。

言い方を変えれば「器が小さい」とも言えます。

「優秀」or「無能」の二択しかない

硬直マインドセットの上司にとって、「優秀」か「無能」かの二択しかありません。

優秀さを証明できなければ「無能」の烙印を押されると勘違いしています。

なぜなら、自分が他人をそのような目で見ているからです。

たとえばサッカーのワールドカップを見ていたとします。

日本代表に選ばれるだけでもすごいことなのに、少しパス回しでミスしただけで、

「こいつ使えへんな~、無能なやつを代表に選ぶなよ!」

という厳しいことを平気で言ったりします。

他人に対しては、少しのミスでも「無能」扱いするんです。。。

硬直マインドセットの人にとって優秀さとは、完璧であること。

ミスや失敗は無能な人がすることだと思っているので、自分が無能だと思われないよう必死になるのも分かります(笑)。

この他にも、立場が「上」か「下」かというのにもこだわります。

硬直マインドセットの人にとって、「対等」という概念は存在しません。

  • 「正解」or「不正解」
  • 「正しい」or「間違い」
  • 「勝ち」or「負け」

などもそう、ようは「白黒はっきりさせたい」ないと気がすまないんです。

上司の褒め方が部下の挑戦意欲を奪う?

硬直マインドセットの上司は、基本的に他人を褒めたりしません。

ただし、「どうしても部下を動かさないといけない」という場合に限り褒めて動かそうとします。ただ、褒めるポイントが悪いので、逆に部下の挑戦意欲を奪うことにつながってしまうんです。

具体的にどこを褒めるのかというと、

「能力」や「才能」、さらには「結果(成果)」などです。

これらはすべて表面的な部分ですよね。

部下を褒めて「信頼を失う人」と「信頼を得る人」の違いにも書いていますが、目に見える部分(表面的なこと)しか褒めないと逆に信頼を失います。

部下を褒めて「信頼を失う人」と「信頼を得る人」の決定的な違いとは

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「え? 承認欲求を満たすという意味ではそれでいいんじゃないの?」

そう思うかもしれません。

うまくいってるときはそれでもいいんですが、

いざむずかしい課題に取り組もうとしたときには、それがブレーキになります。

どういうことかというと、能力や才能を褒めれば褒めるほど、失敗することが怖くなり、挑戦できなくなるからです。

頭の良さをほめると、学習意欲が損なわれ、ひいては成績も低下したのである。

(中略)

頭がいい、才能があると言われると、嬉しくて天にも昇る気分。でもそれはほんの一瞬にすぎない。思わぬ障害に出くわしたとたん、それまでの自信はどこへやら、すっかりやる気をなくしてしまう。

成功するのは賢いからだとすれば、失敗するのは頭が悪いせい、という硬直マインドセットに縛られてしまうからだ。

『マインドセット「やればできる!」の研究』第7章 教育ーマインドセットを培う P255より

硬直マインドセットの人が、表面的なこと以外を褒めることはむずかしいかもしれません。

なぜなら、気づかいや努力(目に見えない部分)などは「欠陥人間」がすることだと思っているので、そもそも褒めるに値しないし、もし褒めても嘘だとバレるからです。

このように、褒め方を間違えると部下の挑戦意欲を奪う結果につながってしまうんです。

褒め方についてはこの記事に詳しく書いているので参考にしてください。

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まとめ

今回は、部下の挑戦意欲を奪う上司のマインドセットについて書きました。

簡単にまとめると、

  • 自分の優秀さを証明するために部下を否定する
  • 優秀じゃなければ「無能」扱いする
  • 目に見える結果や成果しか褒めない

部下の挑戦意欲を奪うきっかけはこの3点です。

自分がどんなマインドなのかを客観的に見ることで、いくらでもマインドはセットしなおせます。

もしあなたの近くに「硬直マインドセット」の特徴に該当する人がいるなら、この本をプレゼントしてあげてください。

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