- 何か伝えようとすると警戒する
- 「うっとうしいなぁ」ってのが顔に出ている
- 大切なことを伝えても右から左で聞く耳を持っていない
こんな態度の部下をどうにかしたいと思っていませんか。
部下が話を聞かないのには理由があります。
そこを理解しなければ、部下との間にある分厚い壁を取り払うことはできないでしょう。
今回は、「話を聞かない部下が一転!?素直に聞き出す話し方のコツ」について書いていきます。
部下が話を聞かない理由は?
部下の気持ちを理解せずにテクニックを使ってもうまくいかないので、まずはじめに、「なぜ部下は話を聞かないのか?」という原因にフォーカスしましょう。
部下が話を聞かない理由は3つ。
- 「話=説教」と捉えている
- コントロールされたくないと思っている
- 説得させられたくないと思っている
一つひとつ解説していきます。
「話=説教」と捉えている
アドバイスに対して、「説教されている」と感じる部下がいます。
「もっと成長してほしいから言っているのに…」
という風に、いくら部下を思いやる気持ちがあっても関係ありません。
基本的に、教えるときは少なからず「ダメ出しの要素」が含まれています。
今のやり方・考え方のままではきびしいからアドバイスするわけですよね。
部下からすると、
「今のままではダメだよ!」
と言われているようなものです。
話を聞かない部下は、そこを敏感に感じとり、異常に反応しているんです。
コントロールされたくない
自分の行動を他人にコントロールされるのは誰だって嫌なものです。
特に、「他人に動かされたくない」という思いが強い部下にとっては、屈辱的なことです。
なので、行動を改めさせるためにアドバイスしても、まったく聞く耳をもちません。
なぜなら、部下をコントロールしようとしているこちらの「意図」が伝わっているからです。
そうなると、コントロールされないためにも「絶対に話を聞かない!」という思いが強くなり、さらに話を聞かせることが困難になってしまいます。
説得させられたくない
自分が納得して動くのならいいんですが、無理やり説得されて行動させられるのってなんかモヤモヤしますよね?
まるで、必要のないものをセールスされて嫌々購入するようなものです。
説得させられて購入(行動)した結果、必ず後悔します。
なぜなら人は、「納得」したうえで、自分の意思で行動したいと思っているからです。
いくら今の自分の考えではダメだったとしても、いくら的確なアドバイスをもらったとしても、他人に自分の考えを変えられたくないという思いがある限り、人の話を受け入れられないんです。
話を聞かない部下に話を聞かせるコツ
「絶対に変えられたくない!」と思っている部下でも、素直に話を聞かせる方法があります。
それは、
「教わる立場」から「教える立場」に視座を変えさせる
という方法です。
具体的にはどうするのかというと、
「教える立場」になった自分(部下)をイメージさせてから話します。
自分を変えようとする言葉には興味を示さなくても、自分が教える立場になったときに「使う情報」なら、「覚えておこう」という気持ちになります。
つまり、「教える立場」になった自分をイメージさせることで、自分が使う情報として「記憶にストックさせる」というわけです。
「記憶にストックさせても行動しないんだったら意味なくね?」
こう思った人も多いかもしれません。
たしかに、部下自身が行動に移さなかったら意味がないように思います。
しかし、そもそも話を聞かさなければ行動できません。
知識の中に情報がストックできていれば、行動に移すかどうかは本人次第。
もしストレートに行動を促す話し方をすれば、行動に移す移さない以前の問題で、聞く耳すら持たない可能性のほうが高いです。
とにかく「知識」としてインプットさせる。
そうすることで、いざ行動するときにその知識が判断基準となり、こちらが望む行動をとってくれる可能性がぐんと上がるはずです。
部下の視座を上げるための声掛け例
「部下の視座を上げればいいというのはわかったけど、具体的にはどうすればいいの?」
という問いに答えていきたいと思います。
声掛けのポイントは、
- 必ず後輩にアドバイスする時が来る
- 納得できる説明をするのはむずかしい
- わかりやすく説明できればリスペクトされる
この3つをうまく伝えることです。
実際に私が部下に話をするときは、
という前置きをします。
次に、
「これってどうやって説明すればいいと思う?」
「どうやって伝えれば後輩は納得できるかな?」
という問いを投げかけて、未来の後輩に対して説明している自分をイメージさせます。
で、ここで思うわけです。
「納得できる説明をするのはむずかしい」・・・と。
論理的に説明できたらリスペクトされる!
私は部下によくこんな話をします。
昔は、納得できるまで説明してくれる人なんてほとんどいませんでした。
「技術は見て覚えろ!」
「先輩の技術を盗め!」
というのが常識でしたし、仕事ってそういうもんだと思ってました。
しかし今となって思えば、昔の人は、
「相手に伝えるために言語化するスキルがなかっただけ」
だと私は思っています。
「見て覚えろ」だの「技術を盗め」だの言うのは、ただ自分が言語化できないことを隠すための逃げ口上にすぎません。
実際に説明下手の人は、「How to(ハウトゥー)」しか教えられないのに対し、説明上手は「なぜそれが必要なのか」をわかりやすく説明した上で、「どのように進めればいいのか」を納得できる形で伝えることができます。
教えてもらう側からしたら、わかりやすい説明を受けて納得した形で進めていける方が安心ですよね。
そのほうが自分の成長にもつながるからです。
- 説明下手
→自分しかできない「ただの労働者」 - 説明上手
→人を育てることができる「尊敬される存在」
「どっちがいい?」って話です。
ここでよくこう言われます。
「論理的な説明なんて難しくてできません!」
そりゃそうでしょう。
だから、「人の話をちゃんと聞くことが大事なんだ」ということ伝えるんです。
その上で、「それを自分が使えるようにストックしとけよ!」ということです。
まとめ
今回は、話を聞かない部下が一転!?素直に聞き出す話し方のコツについて書きました。
部下が話を聞かない理由は3つ。
- 「話=説教」と捉えている
- コントロールされたくないと思っている
- 説得させられたくないと思っている
素直に話を聞かせる方法は、
「教わる立場」から「教える立場」に視座を変えさせる
ということでした。
最後に、話を聞かせる上でもっとも大事なのは、「教える立場になった部下を想定しながらこちらも話す」ということです。
そうすることで、お互い同じイメージを共有しながら話を進めることができますよ。